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曳家(ひきや)とは? [住まいの豆知識]

曳家(ひきや)をご存知でしょうか?
建物を解体せずに移動する工法をいいます。また、建物の基礎部分を建て替える場合も曳家(ひきや)を行います。
「曳家(ひきや)は知っている。しかし、工事を見たことがない。」という方も少なくないのではないでしょうか?
先日、弊社で曳家工事を行いました。住み慣れた住まいの形をそのままに、新設した基礎への移動を行いました。基礎はもちろん、設備工事・断熱工事を施し、住まいが新しく生まれ変わります。

 今回は、
曳家(ひきや)について、写真と共にご紹介します。
 

レポート1日目

before
after
 
 
曳家工事を開始しました。

準備工程
 移動先の基礎・配管を新設 >
既存の配管・アンカーのつなぎを取り、家と基礎を引き離す>
家を持ち上げる(ジャッキアップ)>
移動用角材を設置する (準備期間:約1ヶ月)
 
 
以上の準備が完了し、いよいよ移動開始です。

 【Before】は
午前、【After】は夕方の状況です。
半日ほどで、赤のラインまで家が移動したことがわかります。 
 
 
before
after
正面玄関から見た移動状況です。
玄関右側のけやき柱(点線部分)が、沓石(写真右下)からの距離を移動しています。 
 
 

レポート3日目

before
after
【Before】は1日目、【After】は3日目の状況です。

壁面(点線部分)が、ウインチ設置部(赤のラインまで移動したことがわかります。
 新設した基礎への移動が完了しました。
 
 

「コロ」

before
after
持ち上げた家の隙間にレールを敷きます。土台とレールの接地部分に枕木コロを設置し、ウインチで曳いて少しずつ移動していきます。

ウインチで曳く

ウインチを1名で回し、曳いています。
大きな家をこの1台で、手作業で動かしているのかと、一見して目を疑う光景です。
ワイヤーや枕木・コロの各設置箇所に技術者数名が配置し、コロの移動や点検に気を配ります。

曳家(ひきや)工事完了

所定の位置まで移動後、角材を取り外し、新設した基礎のアンカーボルトに合わせて土台部分に穴を開け、ジャッキダウンを行います。こうして、曳家工事が完了しました。
 
曳家工事とは、技術はもちろんですが、技術者同士の呼吸を合わせることが大切であり、だからこそ、慎重に手作業で工事を行う必要があるのです。
 5000年前の古代エジプト文明では、「テコ」と「コロ」の原理を応用した技術で、大きな建造物が造られていました。曳家技術の原点は、歴史深く、優れた文明の証しであるといわれています。
現代の曳家工法でも、レールを使用し、「コロ」に乗せた建築物をウインチで曳き、目的地まで移動します。
 その原理は、今も昔も変わらない伝統的工法なのです。


今回ご紹介した曳家(ひきや)もそうですが、住まいを財産として捉え永く住み継がれていくことができる家づくりを目指す。それは、環境保全へのひとつの答えであり、これからの社会にむけた
資産価値のある家づくりといえます。
曳家さんご紹介
有限会社金田工業所
長野県須坂市大字須坂春木町513
電話 026-245-0729
 
 
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